2016年1月23日土曜日

プロフェッショナルな舞台映像とは





 以前、暗転中に「舞台幅サイズに戻して。」とスイッチャーに指示されたことがある。真っ暗な中で元の正確な舞台幅サイズに戻せるわけないですね。

 だから、舞台幅サイズの固定カメラは絶対に必要で、真っ暗な時は絞りは開放であり、フル照明が点いている舞台の緞帳が上がると、絞りはF1.4からF5.6に絞ることがあります。これは、さすがに本番直前にゲネプロをしてくれない発表会では、分からないので手動では大変困難です。ましてや、客電は点いていても色温度が3000K(ケルビン)であり、白鳥の湖のように6000Kの照明が点いていて緞帳が上がると色合いも合わないので、予め6000Kにしていても、緞帳が上がる前に薄明かりになりナレーションを読んでいれば、逆に赤くなってしまいます。なので、本番スタートでつまずく事もあるのです。

 そうそう、動画サイトで緞帳が上がる前に生オーケストラにタングステン光が点き、緞帳が上がった舞台はデーライト光だったため、オーケストラの色合いは合っていましたが、肝心の本番は、ずっと真っ青になっておりました。

 だから、リアルタイム色温度変換ダイヤルは無いよりあった方が絶対に良い。どちらが重要なのか分かってないですね。

 当方は舞台撮影に於いて、こと細かく分析し、最高の舞台映像となるよう常に研究しています。

 この重要性が分かっている先生方は、当方のこだわりを理解し、すごく大切に接してくださいます。

 物事の本質を見抜ける人って大好きです。
 先生方、本当にありがとうございます。

【4K時代のブルーレイ納品】
4Kまたは8Kになろうとしている映像業界がある中、それでもDVDを選択するお客様が圧倒的に多い。しかし、普段観ているハイビジョン画質はもちろん4K映像も観る機会が増えております。そんな中、ブルーレイの問い合わせが急に増えて来ました。実は3年ほど前に、初めてブルーレイ納品をしてからは、ずっと編集原版はハイビジョン画質だったのです。そりゃー、ハイビジョンテレビに近付いてDVDを観れば画質が悪く感じるのは当然です。実際、目が痛くなりますし、2メートル位離れて観ればなんともないのです。改めて、ブルーレイなら、その全ての問題点が解決しております。ブルーレイ時代、大歓迎です。

2016年1月21日木曜日

手動撮影による感動のバレエ映像

【2019年3月5日更新】
はじめに、一昔前の映画のキャメラマンは、全て手動で撮影していました。それはシネレンズですから。。。オートフォーカスでは、暗いシーンの時、ピントがあまくなり、メインのダンサーの前のダンサーにピントがあったりと意図しないものにピントが合い、最悪は完全ピンボケになることもあります。次に、女性ダンサーをリフトした時に、手や顔が画面からはみ出ないよう構図を広げます。これを電動ズームですると間に合わなかったり広げすぎたりするのです。それに、引きカメラに逃げると引きすぎになります。だから、ズームリングに中指を触れっぱなしにし、軽やかに構図を変更するのです。そして、アイリスリングは、舞台のセンターと端では照明の明るさが違いピンスポットが点いたり消えたりするので、これも人差し指と親指で絞り(アイリス)を開けたり閉じたりリアルタイムに操作しています。以上のことから、究極の感動映像は、全てフルマニュアルで撮影しているからなのですね。
そんな中、オートフォーカスや電動ズームに頼り、マニュアル操作するのはアイリスだけなので、ハンドヘルドカメラでもあり、デジカメ持ちスタイルで操作するため親指が上になり、親指でアイリスリングを操作しているカメラマンがいました。そして、座って撮影しカメラの高さは胸の高さであり、液晶モニターを見て撮影するので、左目も舞台を見れなくなります。当方は、ENGカメラ(ショルダータイプ)であり立って撮影しビューファインダーを右目だけで見て撮影し、左目は舞台を直視しているので、撮影画面以外のダンサーの動きも確認しながら撮影できるのです。また、ハンドヘルドカメラで撮影することになっても、この考え方で撮影します。結果、お客様に喜んで頂けることは間違いなしですね。